
嫌なことも、時が経つにつれて少しずつ忘れていくものです。
普段は思い出すこともなく、日常の中に溶け込んでいます。
けれど、朝、目が覚める瞬間。
ごくまれに、ふっと昔の嫌な記憶が浮かび上がってくることがあります。
その記憶だけではありません。
当時感じていた嫌な感情まで、一緒に戻ってきます。
以前の私は、その感情から逃げるように二度寝をしていました。
できるだけ考えないように。
できるだけ感じないように。
そんなふうにやり過ごしていたのです。
でも最近は、少し違います。
「もう、どうにでもなれ。」
そんな気持ちで、その感情の中へどっぷり浸かってみるようになりました。
逃げずに味わっていると、不思議なことが起こります。
あれほど重たかった感情が、少しずつ抜けていくような感覚があるのです。
まるで、その感情が「やっと気づいてもらえた」と言っているようでした。
そんな朝を何度か経験しているうちに、ふと一つのことを思いました。
もしかすると、この感覚は海王星や冥王星が逆行している時期と重なっているのではないだろうか、と。
もちろん、これは私自身がそう感じているだけのことです。
占星術でいう「逆行」とは、星が本当に後ろ向きに動いているわけではありません。
地球との位置関係によって、地上から見ると星が後ろへ進んでいるように見える現象です。
占星術では、その期間は外へ向かう意識よりも、自分の内側へ意識が向きやすい時間だと考えられています。
海王星は、夢や無意識、直感など、目には見えない心の世界を象徴する星です。
一方、冥王星は、執着や恐れ、深い変容など、人の奥深くにあるものを象徴するといわれています。
だからなのか、逆行の時期になると、普段は静かに沈んでいる感情が、水面へ浮かび上がってくる。
そんなふうに考えることもできるのかもしれません。
以前の私は、その感情を消そうとしていました。
でも今は、その感情に浸ってみます。
すると、不思議なことに、その感情は少しずつ静かになっていきます。
海の底に差し込む光が、少しずつ深いところまで届くように。
心の奥にも、ゆっくりと光が届いているのかもしれません。
朝、目覚めるという何気ない時間。
そのほんの短い時間にも、星とのつながりを感じることがありました。
そう思うと、朝の目覚めは、一日の始まりというだけではなく、自分の内側と出会う時間なのかもしれません。